Episode

お菓子のエピソード

第4話 Madeleine

あまりにもポピュラーなお菓子 マドレーヌ。
名前の由来には、Episode第一話でもその名があがった美食家スタニスラス・レクチンスキーが登場します。
1700年代、ロレーヌ王国を治めていたスタニスラス公が、コメルシーのお城で宴を開いていた時のこと。
菓子職人が料理人と口論となり出て行ってしまいました。急遽何かお菓子を作るよう命じられ、使用人マドレーヌが作ったお菓子は、皆の絶賛を受けます。公も喜んで、そのお菓子に彼女の名前 マドレーヌと名付けたそうです。 後に、コメルシー地方のあるお菓子屋さんがマドレーヌのレシピを買い取り「コメルシーのマドレーヌ」として売られるようになり、今日まで親しまれてきました。

私が子供の頃、マドレーヌは菊型で売られていた記憶がありますが、現在はフランスと同様シェル型が一般的になりました。遠い昔は、本物の帆立貝の殻を型にしていたと伝わります。
帆立貝は、キリスト教の聖人ヤコブのシンボルであったことから、ヤコブの祭られている聖地に向かう巡礼者に配られたお菓子だったという説もあります。

配合は、カトルカールと同じですが、作り方は他のバターケーキと異なり、材料を順に混ぜ合せていき、最後にバターを溶かして加えます。 配合も作り方も至ってシンプルなだけに、なかなかこれぞというレシピが完成しません。
しっとりしているがべとつかず、軽いけれどパサつかず。程よい味わいで、いくつでも手が伸びるようなマドレーヌを目指して試作を繰り返しています。


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